猫を助けて死ぬとかベタではなく稀有な体験だよね

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「血生臭いままで城には行けんだろう。黒猫ならまだしも、毛が白いから血が目立つ」 「怪我は?」 「ついてるのは全部女の血だ」 「わたくしが後でお連れします」とノードがひきとり、ナリッサは男とともに部屋を出て行った。開けた扉の向こうに上へと続く階段が見えたから、ここは地下室なのかもしれない。 入れ替わりに壺……じゃなくてジャム瓶を持った従者が現れ、ノードはそれを受け取ると「ジゼル殿と二人きりにしてくれ」と人払いした。 「まいりましたね」 ノードは骨を集めることもせず、壁際にある机にヒョイと腰掛けると、立てた片膝の上で頬杖をついてあたしの方をじっと見る。 「見えるの?」と、とりあえずあたしは聞いてみた。 「喋れるのか」 彼は感心したようにあたしの頭のてっぺんから足先までをジロジロと観察した。あたしは見世物じゃないし、気分が良くないから彼に近寄って仕返しがてらイケメンを堪能する。まつ毛長っ。ニヤけそうになるのは我慢、ガマン。 「(あるじ)
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