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「それについてはシャーロットとわたしには当てはまりません。去年、一昨年とシャーロットを宴に連れて来ておきながら、あなたは彼女を侯爵家に紹介しなかった。シャーロットはウィリアムズ緑士家の一員ではないと考えているからでしょう?」
「それは、シャーロットは一般人よりも魔力がありませんから……」
「そうです。シャーロットには魔力がなく魔術師でもありません。だから、貴族であるわたしと結婚しても問題にはなりません」
父はあんぐりと口を開け、侯爵様は呆れ顔で苦笑を浮かべていた。
「ザカリー。おまえが何を主張しようが、この結婚が認められるか認められないかは皇家の判断にかかっている。そう簡単にはいかないと思うぞ」
「簡単でなくても不可能ではありません」
息子の言葉に今度はククッと声を出して笑う。
「そこまでしてウィリアムズ男爵家の令嬢と結婚したい理由はなんだ?」
「父上、わたしはウィリアムズ男爵令嬢と結婚したいのではなく、シャーロットと結婚したいのです。父上が母上を愛して結婚したように、わたしが一人の女性を愛することがそんなにも不思議なことですか?」
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