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「世界樹のドームは無事なんですね。外殻ドームは酷い状態だけど、せめて物理結界だけでも張らないとおれらみたいな侵入者が入り放題ですよ」
「結界を破壊したのは闇属性魔力なので、浄化しないまま結界を張っても影響が出るかもしれません。わたしが強制的に浄化すると必要以上に跡地の浄化力を消費してしまうことになりますし、このままにしておけば明日には相殺できそうなので結界を張るのはその後に」
「闇属性魔力が使われたんですね」
ゼンは色々聞きたそうな顔をしていたけれど、支部の魔術師たちを気にして口を噤んでいるようだった。ふと風を感じて振り向くと、精霊石を手にしたイヌエンジュがドーム沿いを飛んでいる。
「ゼン、王宮は大丈夫でしたか？ 小動物と鳥が集まってきたと思いますが」
「建物や結界に被害は出てません。使役してた術師はこっちにいたんですよね？ 跡地と同じタイミングで鳥が飛んでいったから同じ術者でしょう？」
「ええ。捕らえて魔術を使えないようにしました。状況を説明しますので、ひとまず離れ屋に戻って温まりましょう。みなさん泥だらけです」
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