燃え上がるのは恋だけじゃない?

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 ゼンは材料の重さを魔術で量り、魔法陣の歯抜け部分に黒鉛で文字を記入していく。材料は魔法陣の真ん中に積み上げられていった。 「魔塔主様、魔力石は魔法陣発動直前におれが置きます」 「ええ、そうしてください。発動前に浄化してしまったら意味がありません」  浄化? 「おい、魔塔主。もしかして闇属性を使うのか? 闇属性と精霊力は相殺し合うんだろう?」  あたしとジゼルは驚いて顔を見合わせた。ノードは「大丈夫ですよ」と安心させるようにニコッと笑う。 「闇属性魔力はあくまで触媒。生成過程で浄化されます。ですよね、ゼン」 「ダイヤモンドを作るには超高温高圧の魔力が必要だから、火属性魔力の密度を上げるには闇属性がピッタリなんだ。獣の骨で上手くいったから大丈夫だよ」  ゼンの説明に「獣の骨なぁ……」とジゼルはビミョーな反応。 「ジゼル殿。ゼンに任せた方が上手くいくと言ったのはあなたでしょう? わたしもその方がいいと判断したのでゼンに任せたわけですし、闇属性が役立つならクラウス領に来た意味もあります。サラさんもそう思いませんか?」 「……思います!」
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