憑依実験と石榴宮の新しい執事

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あたしの頼りない記憶によると、ガルシア公爵のフルネームは 〈マティス・%$#!・ド・ガルシア〉 みたいな感じ。マティスという名前を覚えていたのは皇帝が彼をそう呼んでいたから。 登場人物がみんな平民のゾエみたいにシンプルで覚えやすかったらいいんだけど、それだと箔が付かない。 グブリア帝国の現皇帝であるカインの側近、皇帝補佐官をしているガルシア公爵。 彼は政務をつかさどる宰相とは違い、カイン皇帝の個人秘書みたいな立場にある。ナリッサの出生の秘密を共有しているのだから、そりゃあ傍に置いて監視しないと皇帝は心配で心配で仕方ないだろうけど、その二人の親密さは本宮に出仕する他の官吏、特に文官たちにとって望ましいものではないようだった。 ガルシア公爵は皇帝の手足となって平民優遇施策を推し進めた人でもあるから、グブリア帝国の宰相であるなんちゃら公爵だか侯爵と敵対していた気がする。
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