ダンスレッスンと公爵家からの手紙

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ノードは脱いだローブをあたしに渡しかけ、それを見たポピーが慌てて受け取りに来た。ポピーも他の誰も不審がる様子がないのは、付き人がいないことを魔塔主がうっかり忘れていたのだろう、くらいに思ったのかもしれない。 「あたしだってローブくらい持てるのに。魔塔主のローブなんだから宙に浮いたっていいでしょ?」 ナリッサに歩み寄るノードの肩がクッと揺れたけど、笑ったのかはわからない。彼は皇女の手をとり当たり前みたいに口づけ、その肩に手を置く。 麻薬事件の前まで、ナリッサの石榴宮での(・・・・・)味方はアンナだけだったけど、ノードはもしかしたらずっと石榴宮の外で彼女の味方をしていたのかもしれない。 ノードだけがナリッサを皇女として扱っていた? 「ノードもエンドーも背が高過ぎなのよ。わたしはこんなに高い靴を履いてるのに」 ふくれっ面でノードを見上げるナリッサ。ノードの美しい顔があんなに間近で見られて、手の甲にキスされて、手を握り合って躓いたら抱き寄せてもらえるなんて羨まし過ぎる。 「ワルツですよね?」 ノードがゾエに確認した。
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