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ふつう異世界小説で悪女モノなら、ある日目覚めたら美女になっていてドレスも侍女たちが着せてくれるはずなのに、あたしは血だらけで死んだ上に服のレパートリーは下着呼ばわりされたユニク〇ワンピかコスプレ衣装。
ため息をついたら後ろから「ニャア」とジゼルの声がした。いつの間に庭園に出ていたのか、ジゼルはあたしの視線を誘導するように空を見上げる。
「鳥だ」とジゼルが言った。
「獣人?」
「ああ。ぼくがいるせいか降りてくる気配はない」
「鳥さんにはジゼルの声は聞けないの?」
「おそらくな。あの鳥からはほとんど魔力を感じないだろう? きっと変身するのに必要な魔力しかもっていない」
空色の鳥は庭園の上をグルグルと旋回していた。
あたしが芝の上で手を振っても二階まで飛び上がっても何の反応もなく、調子に乗って触ろうとしたら冷気を感じたのかバサッと羽音をさせて急降下する。ジゼルから離れた芝の上に降り、キョロキョロと首を動かす仕草が可愛らしい。
人間の姿はどんな感じなんだろう?
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