「リンドバーグ子爵令息、婚約破棄される」の巻

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問題は、あれからすでに三年経っているということ。アノ子にはすでに新しい彼氏(おれがアノ子の彼氏だったことはない)ができているかもしれないが、そういうのは考えても意味がない。物語を紡ぐにはまず目的が大事だ。ナントカ王にオレはなる、とか、そういうシンプルなやつがいい。 おれの目的は「かわいいアノ子とキスをする」だ。三年も会ってないおかげで脳内美化されていい感じの美女になっている。元の世界に戻って振られたらコメディだったということでそれも受け入れよう。とにかくおれはギャクハ―王国での異世界スローライフに甘んじる気はない。なぜなら、おれはおれの考えたグブリア帝国をこの目で見てみたい。 ジョージ・ファイアストンに歩み寄り、おれはひしっとその手を握りしめた。おれよりひと回り大きく体格の良い彼なら、きっとオリビアの(自主規制)(ピ――――――)や、(自主規制)(ピ――――――)にも余裕で堪えられるだろう。 「ファイアストン卿、君ならきっと大丈夫だ」 バトンは渡したぞ。
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