散歩

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散歩

私は風を感じる サクサクと草を踏みながら歩く 私は手の中を見る そこには金色に光る1本の鍵と1枚のメモ "Open me" これはどこの鍵なのかしら? 散歩をしようと公園を歩いていたら、草むらに落ちていたのである もちろん、戻ってきた時の扉なんてもうない でも、ここに落ちていたのだ ここら辺にある扉の鍵 …と思ったのだが、 そもそもここには扉がひとつも無い 仕方なく私は歩き続ける 宛もなく、途方もない散歩道 はぁ、もう引き返して交番にでも… "ガサッ" ん?なにか踏んだ? 足の下にある一枚の紙 "Look me" まじまじと見つめる紙 そこには、ちいさな穴が空いていた えーと?? 裏を見ても何も無い、メモと小さな穴だけ 私は紙を近づけて見てみる 「あっ」 穴から見えた扉 紙を外して遠くをみつめる いつからそこにあったのか 1枚扉がそこには置かれていた 扉のドアノブを見る 「これ、鍵穴がないじゃない」 ドアノブを回す "カチャ…'' あ、開いたわ え、じゃぁ、これはどこのか、ぎ…!?!? "ズルっ" 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 "ガチャン" ……………扉がすぅっと消えていった ☆ うそでしょ!?ウソでしょ!? 嘘といって!?!? 私は扉を開けた瞬間、真っ逆さま 風がびゅんびゅんなるスピード こないだのようなゆっくりな速度ではない 周りを見る余裕もない 正直いって…こわい で、でも、これどこまで落ちるの? さっきから凄いスピードだというのに、まったく地面が見えない 思考する余裕は出てきたかもしれない しかし、落ちる落ちる落ちる 私はこないだと言い今回と言い、落ちる運命なのかしら? "きらっ" 目の前に光るソレ か、鍵が落ちてきたわ どうゆう訳か、鍵が落ちてきた 先程とは形は違うもの ソレを私は掴む 手にすっぽり埋まるサイズの鍵だ 鍵の落し物多くないかしら? もう、皆、自分のものくらいキチンと管理しなさいよ 誰か知らないけど! そうこうしてる間にも、私は落ちていく 地面を知らぬ、この底なし 周りを見渡すが靄かかっていて見えない ……もう、このまま落ちてもいいかも なんて考えてしまう 私は鍵を見る 先程手に取った鍵 円から1本の持ち手、差し口は凸凹 持ち手の部分も、凹凸になっている よーーーく見てみると "Look up" とかかれていた 私は今まで落ちてきたであろう上を見上げる そこには、やはり靄がかっていて何も無い 視線を鍵に戻す up、上、よね?……あっ 私は鍵の円から覗いてみる 先程のメモと同じだ ………あなた! そこに居なさい、今行くから あ、ちょっと、逃げないで! こら、にげるなぁぁ!
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