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プロローグ
ザーザーと心地良いシャワーの音が扉の向こうから鳴り響いている時点で、おかしいなあとは思ったんだ。だけど考える暇もなく、キュッと蛇口が閉まる音が聞こえたのとほぼ同時、がらりと内側から扉が開いた。
えーと。この子、誰だろう……?
扉の向こうから現れた子に、私は首を傾げさせる。相手も不審な目で、じろじろと私を見つめ返している。だけどその子の白い肌が……、つるりとした胸板が目に入ると、私の体はぴしりと固まる。
まさか彼は七人目──?
なんて。そんなことを思いながらも私は自分の格好を──、シャツのボタンを開けていたことを思い出すと、肌けていたシャツをとっさに手で押さえ、そして。
「きっ……、キャーッ!!!」
本日一番大きな声が私ののど奥……、いや、お腹の底から飛び出した。
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