幼い恋

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「でさぁ、カイトが行きたいって言ったから行ったのに、いざ行ったらやっぱり帰ろうって言うの ありえなくない?」 20歳になって未だ恋人ができたことがない弥生は、目の前のマキが話す恋バナを半分羨ましく、半分は鬱陶しく思って聞いていた 「ちょっと、ちゃんと聞いてる?」 「聞いてるよ」 そう言いながらもうんざり顔の弥生に、マキはため息をついた 「弥生に言ってもわかんないよねー。 蛍の君にずーっと恋してるんだもんね」 と、マキは目の前のオレンジジュースを啜りながら上目遣いで言った。 「ちょっとそうやって馬鹿にしないでくれる?」 マキの恋バナに飽きたとわかるとマキはいつもそうやって弥生を茶化す それが弥生は嫌だった 子供みたいに頬を膨らませる弥生を見て、 『可愛いんだから恋に恋なんかしなければすぐに彼氏できるのに』 と、いつもそう心の中で残念な気持ちになる だけどそんな子供っぽいところや、一途なところも弥生の魅力なんだよな……と思うと何も言えなくなってしまう
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