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第一章★ガタガタ!馬車の上?
「私たちどんな目に遭わされるんだろ」
「………」
親友のリリーが不安気な顔で見つめてきたが
エマは励ます気力もなくただ呆然と家族の事を思い出す。
静かな森の中、月明かりと松明だけが辺りを照らす
ガタガタと馬車に揺られ2人は他には何も載せていない荷台の上に拘束されていた。
辺りはただ森が続くのみ。道は複雑なうえ手足の拘束された体では、馬車から飛び降りる事も出来ない。
私達、いや少なくとも私はどうにかして抵抗したいと考えているが、先程から恐れで脚も言うことを聞かない。
こんな時ってどうすればいいのか教わってない▁
▁こんなことになってしまったのは
エマがリリーを誘ってカフェに行ったのが原因かもしれない。
エマ達は、ケーキやら紅茶やらがとにかく好きで
いつか可愛いドレスを着てカウンターに立ちたいね。なんて言って仲良くなった仲だった。
学生の私達には、あの光景は輝いて見えたのだ。
キラキラとした器で楽しく好きな人と共に時間を過ごしたい。それだけだった。
本当に、、、、それだけのはず
学校帰りの私達は、思いつきのエマの誘いから一番よく通っているお店へと向かった。
その場所は町外れにあるレトロな雰囲気の店
あの店で
お小遣いを2人で出し合って2人で1つのアップルパイを食べたのだ。
問題が起きたのはその日の帰り道での事
エマは誰かにつけられている事に気づく。2人の男性。年齢は30後半から40くらいだろうか
ヒョロヒョロとガリガリの男と背が低く髭のはえきった小柄な男
早足にはなったが、特に気に止めておらず先程食べたパイの感想を言い合っていた
。。
本当に一瞬の出来事で。後ろから襲われたのだと気づいたエマは身体の硬直によって声もあげることを忘れた。
私達はやっとの思いで目を合わせたのを最後に、なにをされたのか理解する前に気を失っていたのだ。
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