秋の夜長

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「いいですよ。すぐですから」 「いや、こんな時間までうちに居させて送らないわけにはいかない」 「いえ、ホントにいいですって」  男気のある山上はそれを許さなかった。いくつになろうが相手は女性。責任をもって送るからと、二人は外に出た。 「わざわざ送っていただかなくても……。すみませんねぇ、すぐ近くなのに。何だか子どもみたいだわ」 「そんなことないですよ。すぐ近くだろうが夜道は夜道。またゆっくりお茶でもしましょう。では、私はこれで」  と、会釈をした先に、山上は見覚えのあるモノを目にした。 「あれ? あれは」 「どうかしました?」 「いや、河津さんの玄関口に、白いモノが」
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