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不思議な空気感に誘われて、仲間たちはそれぞれの場所から顔を覗かせる。
「ジョー。ホントにやっちまったのかーー」
友達のセントがカップ麺の蓋につかまって出てくると、信じられないような目でその姿に釘付けとなった。そこには頭の先から足先まで光沢のある真っ白に染まったジョーが立っていて、羽の下のほうには触覚をVサインに似せたロゴが描かれていた。
「マジか、それ。や……すげぇな。俺たちの仲間じゃないみたいだ」
「おい、上がってこいよ。セント! まずはお前からやってやるよ。素人と思ってバカにすんなよ? これはオレの先祖が、いつかやろうと思って長いこと温めてきたやつなんだからよ」
埃まみれの羽をバサバサッと震わせて、セントはジョーのいるシンクの縁に向かった。
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