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隣でハルねえが驚いてる。
井戸端は途端ににぎやかになった。どちらかと言うと祝福が多数を占めている。
震えているハルねえの手を引いて俺は走った。この場から逃げるために子供のころからよく通っている最近ではデートスポットにしている公園に。
「逃げるんなら言わなきゃ良いのに」
まだ驚きが覚めなくてもハルねえはちょっと楽しそうに話していた。
「駄目だな。決心ついたのに、宣言すると弱くなる」
「それは急すぎるからでしょ。徐々に進まないと」
「そうも思ったけど、ハルねえを安心させたいから」
言葉を聞いたハルねえは公園から景色が開けてる方に歩く。
「嬉しかった。それに、安心もしたよ。ハルくんはいつまでも弱虫の弟じゃないんだね」
「弱虫っていつの話だよ」
「さあね。この前? まあ、取り合えずこの事はもう広めちゃおう!」
するとハルねえは自分のスマホを取り出して俺の事を呼んだ。
風景を背にして並ぶその時に俺はハルねえのおでこにキスをした。笑っている。写真に写ったけど、も一度取り直す。ハルねえはその画像を友達に送る。一言「プロポーズされた」と付け加えて。
直ぐに返信が有ったがそれは俺のスマホにデカ女と一緒に居る友人から「兄弟じゃねえのかよ!」というもの。
「デカ女は直ぐに教えたんだな」
「あっちも仲が良いけど、これはもう付き合ってる?」
取り合えずそんな疑問は今はどうでも良くてハルねえが一番だった。
「解らんね」
遠い昔からずっと知っている人なのにまだこれからも傍に居たいと願っている。
おわり
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