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なんっだよ、それ……
「心配なら、つけるとこ見てる?」
「や、その、笹原なら、ちゃんとしてくれると思うし」
なら、ってなんだよ、ほんと、いちいち気に食わねーな。
サイドテーブルに放り出してあったコンビニ袋を探って、買ってきたばかりのゴムの箱を引っ張り出す。
「ほら、ちゃんと新品、な?信用してくれた?」
「うん、あの、ごめん、疑ったわけじゃないの」
「いいんだよ、むしろ、それくらい慎重でいろ、お前」
なんかもう、ほんと、いろいろ言いたいことはあるし気になることも多いけど、今はもう、さすがに、問い詰めている場合でもない。
俺も冷静じゃないしな……
どこか逃げたそうな気配の漂う彼女の腰を両膝で挟み込み、左手で二の腕を掴んだまま、右手と犬歯で器用にゴムのパッケージを開けている自分に、いつの間にそんなことができるようになったのかと、我ながら感心してしまった。
7年前は、好きだった人に、掠めるだけのキスさえまともにできなかったのに。
真っ直ぐに見下ろす。
平野の綺麗な体が、シーツの上に艶かしく横たわっていた。
子どもじゃないな、もう。
高校生でもない。
俺たちはもう大人になって、きっと昔より、いろんなことが許されてしまうのだろう。
それが少し、切ないような、痛々しいような気もしたけれど。
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