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「俺はお前がずっと好きだったからな、誘われたらほいほい来るんだよ」 そのまま突き飛ばすように手を離した。もう、顔も見れなくて、逃げた。 高校生というのは本当に馬鹿だ。 そんなことをすればもう後がないのに、後悔は後から来る。 事実俺はそれから、平野とは一度も口もきかずに卒業した。 それまでは友達だったのに。 キスといっていいものかすら微妙な接触のあとで、友達以下に成り下がったまま。 それから一度も会ってないし、連絡も取っていない。 大学は地元を離れた。平野も確か、離れたと思う。 年末年始やお盆などには地元に帰っていたし、地元には友達もたくさんいて、帰ったときには飲み会なんかもやるから、平野の名前も聞こえてきたりした。でもそれだけだ。 俺が平野を好きだったことを知っているのはたぶん、平野だけだったから、誰にも何も言われなかった。 平野が帰省したりしていたのかどうかは分からない。少なくとも、俺は一度も会わなかった。 大学に入ってから、俺は人生初の彼女なんかもできて、セックスも覚えた。だから、なんとなく人並みにやってるって感じだった。 初めてできた彼女とは半年くらいで別れて、大学時代にはそのあとりふたりくらい付き合って。 就職してからもひとり付き合って、別れて。 まぁでも、一般的なところだと、思うけど。 俺はいま、24。 高2の夏からもう、7年も経つなんて、実感もなくて、すごく驚く。
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