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7年も経って、あの時と同じメールアドレスに、『花火大会に行こう』と誘いのメールが入ったことにも、すごく、驚いた。 添えられている待ち合わせ場所はあの日と同じ場所、時間。 メッセージアプリじゃなくて、メール。 今どき。 それが今までの空白を、示しているようで。 花火大会って、もう今日だぞ 俺がすでに地元を出ていることを、平野が知らないとは思えない。 今日地元に戻ってきていることを、知っているとも思えないのに。 仮に、花火大会の日は、俺が大抵毎年帰ってきていることを誰かに聞いて知っていたとして……誰かと、例えば彼女と行く約束をしていたって全然おかしくない。 だって今夜のこの花火は全国的にも有名なんだし……県外からだってたくさん来るし。 メールが来たのは午後4時頃。 普通に考えて、あり得ないだろ、このメール、このタイミング。 ふざけてんの?揶揄われてんの?それとも……? 不確定すぎる誘いの意味を掴みかねて、途方に暮れてしまう。 さて、どうするかな。 本気にするべきかどうか…… 待ち合わせまで、あと2時間。 本気にするほうがどうかしてるだろ、と思うのに。 無意識に、大きくため息をついていた。 本気にするほうがどうかしてるのに、無視もできない自分がいやになる。 平野は来るのかな、ひとりで?浴衣で? 今更だ、今更だけど…… 24になった平野を見たい気もしていて。 もう一度大きくため息をつく。 あいにく今年は、ひとりで見る予定だったから、行かれない理由も作れなくて、本当にいやになる。
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