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間もなくして、騒ぎを聞きつけたダムラス王国の軍隊が出動し、
反乱を武力で鎮圧した。
村民のおよそ3割に加えて、オースティンも投獄されることとなった。
言わずもがな、騒動の元凶と見なされたのである。
以降、キャロルド村は王国政府の直轄地となり、
実質滅亡したと語っても過言ではない。
後にオースティンは、獄中でこのように独白したと言う。
「私には、滅亡の原因を伝えることがどうしてもできなかった……。
弟にとって、耐え難い凄惨な真相に違いなかった。
彼の放った銃弾が事の始まりになるとは、とても……」
全てを知った刑務官たちは、一様に帽子を深く被り直して俯くのだった。
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