新しい未来を

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そんな様子を見つめ、ふと――昔、ソロモン王の神殿で他の悪魔達と暮らしていたことを思い出すシーレ王子。 (……ああ……あの時も、今のように……多くの者達の笑顔が溢れる日々を送っていたな……) と、そんなシーレ王子の前に――不意に切夜が手を差し出して来る。 「仕方ないから、残りの悪魔を探し出すのは協力する。けど、シーレ王子は父さんを助けてくれた、大切な存在だ。だから……契約したからとかじゃなく。仲間として、手伝いたい」 ――それに、さ?折角またこうして出逢えたんだ!古い契約なんか関係なく、友達になろうよ、玲! 切夜から、笑顔と共に投げ掛けられた言葉に――かつて、1番最初にソロモンと契約した際にかけられた言葉を思い出すシーレ王子。 ――『契約なんかじゃなくていいよ。友達として、一緒にいてくれないか?シーレ!』 ソロモンの言葉と、切夜から貰った言葉を胸に抱き――シーレ王子は柔らかく微笑んだ。 「呼び捨てにするな、馬鹿者。王子をつけろ」 「はいはい!シーレ王子様!」 こうして、沢山の笑顔と笑い声に包まれて――彼等の残り99柱の悪魔を探す、騒がしくも愛しい冒険の日々が幕を開けたのだった。
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