いつもと何かが違う日

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母も父も出掛けてしまい、3人だけでお留守番をする子供達。 絵本を読んだり、ゲームをしたり……最初は楽しく過ごしていたけれど、時間が経つにつれ、やることも無くなり、ソファに寝転んでだらだらと過ごすようになる。 そして、母親が出掛けてから2時間後。 ソファやカーペットの上に思い思いに寝転んだ子供達は、すやすやと寝息を立てていた。 どうやら、寝転がっている内にうたた寝をしてしまったらしい。 すると――。 ピンポーン! 静寂を打ち破るように、家のインターホンが鳴らされる。 (お客さんかな……?) 眠い目を擦りつつ、切夜はゆっくり起き上がると、壁にあるモニターに目を向けた。 母親からは、子供達だけで留守番をしている最中は、基本的にインターホンには出なくていいと言われている。 が、軽そうな宅配便や冷凍が必要なクール便であれば、出て受け取っても大丈夫、とも言われている為、先ずは壁に備え付けられているカメラモニターを見に行く切夜。 ピンポーン、ピンポーン。 彼がカメラモニターを見に行く間も、インターホンはずっと鳴り響いている。 (もしかしたら、凄く急ぎの用事なのかもしれないな) 切夜はそう考えると、壁のカメラモニターを覗き込んだ。 と、そこに映し出されたのは――。 「っ?!」 一面の赤だった。 カメラ全体が赤くマジックで塗られたのかと思う程に、赤で埋め尽くされているモニター。 (な、何なんだ……?) 切夜は言い知れぬ不安を覚えて、そっと2階へと駆け上がる。 2階にある両親の寝室からならば、玄関の真上にある為、気付かれずにこの怪しい来客の姿を見ることが出来ると考えたのだ。
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