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(……女性の、声?)
そういえば、今我が家のインターホンを何度も鳴らしているのも女の人ではなかったか――?
切夜と剛は、互いに顔を見合わせる。
と、再度顔色を悪くした剛が、恐る恐る、切夜に問いかけた。
「……ねぇ、切夜?いつからインターホン、鳴り止んでたんだろう……?」
(全然気がつかなかった……!)
漫画に意識を集中してしまっていた為か、インターホンの音等気にも止めていなかった切夜。
――不意に途切れたインターホンに、急に聞こえてきた聞こえる筈のない声。
(……そういえば、この変な声が聞こえて来たのは、インターホンが聞こえなくなってからじゃなかったか?)
切夜は全身を包み込むような嫌な予感に身震いをする。
すると、そこまで考えて――切夜は、もう1つあることに気がついた。
(……何で、俺はさっき部屋の電気をつけたんだ?)
そう、基本的に切夜は昼間はカーテンを開けているタイプなので、今日のような快晴の日は電気をつけることが余りない。
現に、この部屋に入ってきた瞬間は電気等つけていなかった。
が、剛と漫画を読み始めた瞬間――急に、何か薄暗くなったのを感じて、電気をつけたのだ。
(でも、急に暗くなるなんておかしいじゃないか!カーテンは開けたままの筈なのに!)
切夜はそう、必死に考えを巡らせる。
こんなに急に暗くなったのは、カーテンの代わりに「何か」が窓から入る日の光を遮ったからに違いない。
――では、一体何が?
何が太陽の光を遮ったのか。
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