いつもと何かが違う日

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(途切れたインターホン、急に聞こえ始めた声、光が遮られた室内……) そこまで考え、切夜はふと「あること」を思い出す。 (……そういえば、俺……部屋の窓閉めたっけ?) ――どうか閉まっていてくれ! そう願いを込めて、部屋の窓に視線をやる切夜。 そこに張り付いていたのは――インターホンの前にいた筈の、あの大きな女だった。 「うわああああ?!」 「な、何だよあれぇぇぇ!!」 悲鳴を上げる切夜と剛。 一方愛菜は、余りに恐ろしい光景に心がついていけなかったのか、気絶をしてしまい、ぱたりとその場に倒れ込んでしまう。 「愛菜!しっかりしろ!」 愛菜の体を何度も揺さぶる切夜。 と、蜘蛛のように両手両足を窓枠にかけ、張り付いていた赤いコートの女が、ゆっくり身を乗り出し、切夜達に近付いて来ようとするではないか。 「……マシタ……」 何かよく分からない台詞を述べながら、切夜達に近付いてくる女。 彼女は、いよいよ室内に入ると――まるで、昆虫のような動きと体勢で切夜達に迫ってくる。 「来るなぁぁぁ!!来るなよぉぉぉ!!」 手近にあった漫画や雑誌、クッションを投げつけながら、必死に抵抗する切夜達。 が、遂に――女は3兄妹の直ぐ目の前までやって来てしまう。 (も、もう駄目だっ……!父さん、母さん……!!)
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