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始まる非日常
「あらら、うたた寝なんかしちゃって。仕方ない子達だね……。ほら、アイスを買ってきたよ?3人とも、起きて」
そう穏やかに呼び掛ける母の声と、優しく肩を揺らされ目を覚ます切夜。
「お、母さん……?」
「はいはい、お母さんだよ」
切夜の目の前には、柔らかく微笑む母の顔。
まだまだ寝惚けたままのぼんやりした頭で切夜が辺りを見回してみると――そこは、リビングだった。
窓に映る空は鮮やかなオレンジ色に染まっており、母が出掛けてから帰るまでにかなり時間が経っていることを窺わせる。
「お隣の奥さんにスーパーで捕まっちゃってね。つい、話し込んじゃった。待たせちゃってごめんね?お腹空いたでしょう?直ぐに、お夕飯の用意をするからね」
子供達にそう語りかけながら、忙しなくぱたぱたとキッチンとリビングを往復し、夕食の準備を始めるクリスティーナ。
切夜がテーブルに視線を向けてみると、そこには頼んでいたアイスがスーパーのビニール袋に入ったまま、3つ並んでいた。
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