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P.2
―時を同じくして、邂理公国郊外の研究施設。
タッタッタッタ...。
「ハァハァ、う、上手く撒けたか・・・?」
「ハァハァ、で、でもこれで終わりじゃないはず・・・」
「だな。慎重に行こう」
何日も前から組み立ててた計画だ。失敗は許されない・・・、残してきた奴らのためにも・・・!研究施設からの脱出ルートはいくつか確保している。より安全に脱走するためだ。
「そっちはいるか!?」
「いません!こちらにはもういないのではないかと!」
「油断はできん。相手は未熟ながらも錬金術師だ。くまなく探せっ!!」
「はっ!!」
(くそっ!奴らもう追い付いて来やがった!!)
「行くぞ」
「うん」
タッタッタッタ...
奴らの来た方角から推測するに、より安全に脱走するためにはこのルートしかないな。施設裏口は警備員が常駐している。警備員総出で俺たちを捜索しているはずだから、普段よりは裏口は手薄なはずだ。
「禮萌!このルートって裏口に出るルートだよ?警備員いるかも」
「俺らの脱走騒ぎで警備員総出!今は手薄になってるはずだ!」
「もし、手薄じゃなかったら?」
「それはそんときに考える!!」
「ふふっ。君らしいよ!!」
タッタッタッタ...。
(頼む!どうか、手薄であってくれ・・・!)
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