続続・模武たちの平行線

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続続・模武たちの平行線

 私の名前は、模武(もぶ)菜乃花(なのか)。  ごくごく普通のカフェ店員だ。  私が働く『ペンギンカフェ』は、知る人ぞ知るローカルカフェ。  白いガラス張りの建物が特徴で、カフェスペースにベーカリーが併設されているから、コーヒーと一緒に焼きたてのパンが味わえるのが売りだ。  モーニングにはふかふかのトーストを求めて地元の人が集まってくるし、ランチタイムやディナータイムには、パスタやサンドイッチなどの食事を注文する人が多くなる。  さすがに週末ほど待ち列ができることはないけれど、平日でも人の流れが途切れることはないほどには、繁盛していた。  そんな『ペンギンカフェ』にその人がやってきたのは、とても蒸し暑い梅雨のある日のことだった。
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