じゃない人たちの、一方その頃。

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「うわッ!? なにすんだよいきなり!」  すでに泡にまみれていた胸元を後ろからさわさわすると、理人さんは飛び上がった。  逃げ出そうとする身体を腕の中に閉じ込め、泡をかき集めるように肌を撫でていく。 「ちょ、やめっ……」 「俺が洗います」 「は……?」 「毎日頑張ってるご褒美に」 「……」 「ね?」  鎖骨。  脇腹。  おへそ。  そけい部。  太ももの外側。  太ももの内側。  揃えた四本の指をゆっくりと動かしながら、汚れを落としていくーーなんていうのはもちろん口実で、俺は、思う存分理人さんを堪能する。  際どいところはわざと中心を避けつつ、でも際どいラインだけを狙い定めてツゥーっと撫でていくと、理人さんの身体が小刻みにふるえた。  こういう時の理人さんは、絶対に鏡を見ない。  ヒクヒクと震えるそれを見たくないというよりも、自分の感じてる顔を見るのが嫌なんだろう。  もったいないなあ。  こんなにかわいいのに。
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