斥候姉妹

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「姉さん、窓際のテーブル見て」 蘭子が目で指し示す方向には、中年男性と若者の男性が並び、向かいには中年女性と若い女性の計4人が座っていた。 いずれもかしこまった雰囲気のもと、食事をしながら歓談している。 「ええっ、まさか…」 「うん、そのまさか。あの中年男性からね、ぐいぐいとキテるのですよ」 「久しぶりじゃない?向こうから飛んでくるのって」 「忘れた頃にやってくるんだわ、これ。何の前触れもなくね」 「よっぽどの事でしょ。蘭子がキャッチするぐらいだから」 「聞きたい?」 「そりゃ、興味あるけど…」 「どうする?」 すみれが腕時計をチラッと見た。 「も〜、ちょっとだけよ!」 いやいやながらそう言いつつも、すみれはモバイルパソコンを嬉々として開いた。 「これも何かの縁ということで」 ハッカーとテレパスの双子姉妹は、わずかな時間、暇を潰すことにした。 「深追いはしないからね。それで、どういった内容なの?」 仕事の合間の、少しばかりの息抜きであった。
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