0人が本棚に入れています
本棚に追加
「姉さん、窓際のテーブル見て」
蘭子が目で指し示す方向には、中年男性と若者の男性が並び、向かいには中年女性と若い女性の計4人が座っていた。
いずれもかしこまった雰囲気のもと、食事をしながら歓談している。
「ええっ、まさか…」
「うん、そのまさか。あの中年男性からね、ぐいぐいとキテるのですよ」
「久しぶりじゃない?向こうから飛んでくるのって」
「忘れた頃にやってくるんだわ、これ。何の前触れもなくね」
「よっぽどの事でしょ。蘭子がキャッチするぐらいだから」
「聞きたい?」
「そりゃ、興味あるけど…」
「どうする?」
すみれが腕時計をチラッと見た。
「も〜、ちょっとだけよ!」
いやいやながらそう言いつつも、すみれはモバイルパソコンを嬉々として開いた。
「これも何かの縁ということで」
ハッカーとテレパスの双子姉妹は、わずかな時間、暇を潰すことにした。
「深追いはしないからね。それで、どういった内容なの?」
仕事の合間の、少しばかりの息抜きであった。
最初のコメントを投稿しよう!