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「あのテーブルね、どうやら結婚に向けた、両親同士の顔合わせらしいんだけど」
「男性の隣りは、息子さんかしら」
「そうみたい。対面の女の子がお相手だね。若いカップルがお互いの親を紹介するひとコマ。パッと見は」
「両家とも片親?」
「う〜ん、そこんところはまだ読み切れてなくて」
すみれが中年男性のスマホへ瞬く間に侵入し、たどり辿って個人情報を閲覧した。
当然のごとくその足跡は一切残さずに。
「真田純一45歳」
「とにかく、その純一さんからビンビン伝わってくるのがね。お相手の母親のことで、頭の中がいっぱいいっぱいなの。表面上は何事も無いように取り繕って見せてるけど」
「ふむふむ」
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