魔子だよ

1/11
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ

魔子だよ

数知れない花びらの中に一輪だけ、ピンク色に染まらない桜の花が咲いていた。 あの花びらと同じように、私はいつもひとりぽっち。 どうして自分は人と違うのだろうか、イジメなどと世間で称されているそれと同類なのかさえもわからない。 家を一歩出るといつもひとり孤独に耐えながら、それが普通だと思って今まで過ごしてきた。 しかし、それもあと少しで終了するらしい。 これから新しい生活がはじまろうとしているからだ。 新しい学校で新しい制服、新しいクラスで新しいクラスメイトと、すべてが新しくなる。 ただ、まわりがいくら新しくなったとしても、自分自身は変わらない。 誰か私をなおしてください。 芹那魔子(せりなまこ)
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!