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帰り道
その日の学校の帰り。
僕は後ろから視線を感じて振り返った。
後ろには、山下さんが突っ立っていた。
「山下さん?」
僕が山下さんの名前を呼ぶと、山下さんは少し悲しそうな顔をした。
「私の呼び方、変わっちゃったね。」
山下さんの声は小さかったが、僕にはちゃんと聞き取れていた。
「どういうこと?」
僕が聞くと、山下さんは言った。
「約束、覚えてなかったよね。」
約束......、何のことかわからない。
「やっぱり、悠くんは覚えてないよね。
私とした約束。」
その顔は、少し怒っているようにも見えた。
聞くのは怖かったが、僕は約束について聞いた。
「あの......、約束って、どんな約束だったの?誰かと間違えてない?」
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