帰り道

1/2
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ

帰り道

その日の学校の帰り。 僕は後ろから視線を感じて振り返った。 後ろには、山下さんが突っ立っていた。 「山下さん?」  僕が山下さんの名前を呼ぶと、山下さんは少し悲しそうな顔をした。 「私の呼び方、変わっちゃったね。」  山下さんの声は小さかったが、僕にはちゃんと聞き取れていた。 「どういうこと?」  僕が聞くと、山下さんは言った。 「約束、覚えてなかったよね。」  約束......、何のことかわからない。 「やっぱり、悠くんは覚えてないよね。 私とした約束。」  その顔は、少し怒っているようにも見えた。 聞くのは怖かったが、僕は約束について聞いた。 「あの......、約束って、どんな約束だったの?誰かと間違えてない?」  
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!