43.騎士の愛とスイーツの恋 ※

6/6
1379人が本棚に入れています
本棚に追加
/198ページ
「絶対、取り戻すと思っていたから。自分が無理だと思ったら、きっと何も出来はしない」  目の奥が熱くなって、必死で頷いた。 「すごく嬉しい。最初の菓子はジードの為に作る」 「……楽しみだ」   ここからまた、始めよう。  大事な人たちの為に、一つずつ。心を込めてスイーツを作ろう。  異世界で初めて作った菓子(ピール)は、ジードの役に立てたらと思った。  ジードがいてくれたら俺は、この世界でずっと、何かを作り出すことが出来る。 「必要なものがあるなら、幾らでも()ってくる」 「……魔林から?」 「どこからでも、ユウの望むままに」  真剣に呟く騎士に、思わず吹き出した。 「頼りにしてる」  抱きついて、好きだよとキスをする。  誰よりもイケメンな俺の騎士は、それはそれは嬉しそうに微笑んだ。  【騎士とスイーツ 完】
/198ページ

最初のコメントを投稿しよう!