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「絶対、取り戻すと思っていたから。自分が無理だと思ったら、きっと何も出来はしない」
目の奥が熱くなって、必死で頷いた。
「すごく嬉しい。最初の菓子はジードの為に作る」
「……楽しみだ」
ここからまた、始めよう。
大事な人たちの為に、一つずつ。心を込めてスイーツを作ろう。
異世界で初めて作った菓子は、ジードの役に立てたらと思った。
ジードがいてくれたら俺は、この世界でずっと、何かを作り出すことが出来る。
「必要なものがあるなら、幾らでも獲ってくる」
「……魔林から?」
「どこからでも、ユウの望むままに」
真剣に呟く騎士に、思わず吹き出した。
「頼りにしてる」
抱きついて、好きだよとキスをする。
誰よりもイケメンな俺の騎士は、それはそれは嬉しそうに微笑んだ。
【騎士とスイーツ 完】
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