🍰騎士とスイーツのひと時🍩

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🍰騎士とスイーツのひと時🍩

「最初に作る菓子、何にしようかなあ。ケーキかな、クッキー、チョコは……この世界にも、どこかに材料になる植物があるのかな」 「ユウ、何か欲しいものがあるのか?」 「んー……うん、菓子の材料をね、探したいと思って。わっ! な、何で急にキス! ちょっ」 「俺のユウは、考え込んでる顔も可愛い」 「えええ……」 「結婚したら、騎士団では休暇がもらえるんだ。どこか行きたい場所があったら言ってくれ」 「じゃあ! 一緒に材料探しに行ってくれる?」 「ユウが望むなら、もちろんだ」 「やった! 大好き、ジード! ……ジード?」 「……いや、ちょっと感激して……震えた」 「??? 風邪? 大丈夫?」 「……(可愛い)」  🍫🍬🍪 「ユウ様が折角こちらに帰っていらしたのに、全然お会いする機会がないなんて! 第三騎士団は、こんなに毎日ぶらぶらしてるのに!」 「いきなり喧嘩売ってくるのやめろ、ザウアー部隊長。こっちは西の魔獣討伐を終えて、数か月ぶりの休暇なんだぞ。まあ、センブルクの奴はユウ殿を絶対、王宮に近づけない気らしいがな」 「……やはりあの時、もう何発かぶちのめしておけばよかった」 「普段大人しそう奴ほど怖いって言うけどな……」 「何か? ゾーエン部隊長」 「いや、別に。そういえば、王宮で夜会が開かれると聞いたぞ」 「夜会?」  🍫🍬🍪 「王太子殿下! 夜会にユウ様を呼ぶって本当ですか?」 「耳が早いな、レト。第三騎士団の慰労をまだ何もしていないと父上が仰るのだ。……それにかこつけてユウも呼ぼうと思って」 「名案です! ジード様がなかなか外に出されそうもないですもんね」 「そうなんだ。多分、気づいてないのはユウだけだろうな。どうした? ルブラン」 「……いえ、夜会も何だか不穏な気が致しまして」 「スフェン様、案外、心配性ですよねえ」  🍫🍬🍪 「っくしゅん! 誰か噂してる」 「何だ、それは?」 「俺の国では、くしゃみをすると、誰かに噂されてるって言われるんだよ」 「……それはいけないな、ユウ。今夜は早く寝よう」 「えええ??? でも、ジード。まだ、夕方だけど?」 「……(可愛い)」  4作目の長編、『騎士とスイーツ』にお付き合いいただき、ありがとうございました!  数話で終わるはずだった話が15万字を越え、長い間ユウとジードの恋を見守っていただいた皆様に心からお礼申し上げます。  本作は高校生たちの日々シリーズの一作としてご紹介してきました。ユウは『紙の花』に、花井くんは『明日も食べたい』に出てきます。彼らの世界は、どこかで繋がっています。  今後は女神トリアーテの世界として別シリーズにしたいと思います。(同世界の話が他にもありますので)  これにて本編は完結ですが、二人の番外編をいつか書くかもしれません。本作を気に入っていただけましたら、とても嬉しいです。  皆様にまたお目にかかれますように。  2023年3月 しさ
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