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「なにするのじゃないですよー。馬鹿なんですか、依澄さんは! この村は何があるかわからないのにノコノコ入って来ちゃって……。依澄さんが危険にあうのは嫌です」
「ご、ごめんね。そんなに怒られるとは思っていなかったよ……」
「謝ってすむ問題じゃないですよー。一体どうやって……ううん、今はいいです。拓海くん、こういうことだから私のことは気にせず永遠子さん達を助けにいってあげて」
肩を落とす依澄さんを見ることなく、先輩は俺にそう言った。依澄さんが何故ここにいるのか気になるが、今は永遠子ちゃん達と合流することが一番だ。依澄さんがいてくれるなら先輩はもう大丈夫だろう。
「わかりました。いってきます」
「拓海クン、柚依チャンのことは俺に任せて」
「はい。お願いします!」
俺は先輩と依澄さんに頭を下げると来た道を走り戻った。どこにいくかはもうわかっている。
穢れた右腕が痛みを増す方向へ、そこに行けば鬼の面があるはずだ。
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