最終章 お霊参り

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「まあ、清水さんはお強いのですね。みんなやられてしまったわ」  おっとりとした口調とは裏腹に、俺の目の前に立った相談役の目は鋭く光っていた。獲物を見定めた肉食獣のように俺を見る。  面をしていない相談役の顔は、テレビで見た浦川議員に似ていた。白髪を1つにまとめた相談役は俺をうっとりと目を細めた。 「ああ……やっぱり似てるわぁ……」 「……そういえば、以前あなたの息子に似ていると言っていましたね」 「ええ。だから私はね、欲しくなったの。……あなたの顔が」  空気が変わった。俺は耳鳴りが始まった頭を押さえながら相談役を睨む。 「相棒!」  大地の声に振り返ると、永遠子ちゃんと大地の首元に包丁を突き付けている黒の面の村人がいた。まだ残っていたのかと舌打ちをする。 「なにが目的だ」  向こうが人質を取ってきた以上、相手に敬意なんていらない。俺は相談役を見下ろす。 「簡単なことよ。この鬼の面をあなたが被る。それだけ。そうすればあなたの仲間達は全員村の外に出してあげる」 「今さらそんなうまい話しがあるかよ。俺達は知り過ぎた。そんな人間をあんたらが逃がすのか?」 「いいわよぉ。特別にね。それに話したところで誰も信じやしないわ」
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