最終章 お霊参り

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「なあ、あんたらもそうなんだろ?」 「……あんたらって誰のこと?」  今ならはっきりと見える。相談役の周りを囲む霊達が。顔がない白の浴衣の集団が相談役を囲み、黒い塊のように見える。  鬼の面が俺をターゲットに決めたことで、村を覆っていた靄が晴れた。結果、視えないベールが取り除かれて隠されていた霊達が現れた。怒りや憎しみの念を抱えた彼らの顔は真っ黒に塗りつぶされていた。 「あんたには視えねぇんだな。ま、それもそうか。あんたは視える人間じゃない。よかったな。視えてたらとてもじゃないが、立ってることもできなかっただろーよ」 「さっきからあなた何を言って――」 「あんたに顔を喰われた奴らが集まってきてんだよ」  と、俺は同時に相談役に向かって手を伸ばす。手にした鬼の面を奪って壊す。相談役が俺に強気でいられたのは人質をとって俺を油断させる為だろう。  だが、2人に包丁を突き付けてるヤツは鬼の面に操られている人間だ。つまり、先に鬼の面さえ壊せば問題ない。
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