0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
3年生では、クラス替えがあった。しかしそこでもまた、同じクラスになっ
た。クラスだけではない。またしても背の順で隣になったのだ。年何度か席替
替えがあったが、やはり少なくとも2度は隣の席になった。
4年生は持ち上がりのため、そのまま一緒のクラスに。
またいつものように席が隣になり数ヵ月が過ぎた頃、先生が突然「席替えを
するぞ」言いだ出した。しかも今回の席替えはいつもの方法と違い、変わった
やり方をした。名簿順に一人一人、今の席でいいか聞くのだ。その場所で良い
なら「このままいいです」。席を代わりたい場合は、代わりたい場所の人のと
ころに行き交渉する、という方法だった。名簿一番目の涼くんから答えること
になった。先生に聞かれた涼くんは「このままでいいです。」答えた。私は驚
いたてっきり、他の友達に交渉しに行くと思っていたので、涼くん言葉を聞い
て正直恥ずかしくなってしまった。このままでいいということは、また私と隣
同士になるということだ。涼くんにとっては、特に何も意味はなかったのか
しれない。意識していたのは私だけなのかもしれない。どうにも恥ずかしくな
った私は、「このままでいい」とは言えずに、友達と交渉してしまった。
4年生も終わりを告げる頃、涼くんが転校するという話が先生からもたらさ
れた。一瞬、何も考えられなかった。まさかそんな......。てっきり6年間、一
緒に過ごせると思っていただけにショックだった。告白する勇気もなく、ただ
時間だけが過ぎ、涼くんは転校していってしまった。
涼くんと再会する夢が、一つの物語のように話が進んでいくに連れて、少しずつ不安になっていった。
最初のコメントを投稿しよう!