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桃太郎の誕生
俺は名前が無い。どこかの組織…いや、血を受け継いで敵と戦うための試練を受けている。そんな俺は今桃に入らされ、その村の川を流れている。
「おいおい、なんで俺なんかが…他のやつに頼めや」
そう愚痴を言っていると人の声が微かに聞こえてきた。
バァチャン「じぃさんや、洗濯しとるんやから声かけないでくれ」
ジィチャン「手伝いたいんじゃがね…」
バァチャン「そんなもん必要ないわい」
なんだ、老人の言い合いか。やれやれ、いい歳して何言ってんだか。
そんなことを思っているのもつかの間、俺はいい歳したバァチャンとジィチャンに
「美味しそうな桃やのぉ」と声を揃えて言われ、引き上げられた。
バァチャン「おっほっほ。いい色してるわい!食べ頃やの!」
ジィチャン「包丁包丁…目が見えんのぉ、」
バァチャン「もう取ったぞ」
ザクザク
「うっうぉぉぉ?!」
危ない危ない。もう少しで俺の体が切られるとこだった、そんなことよりバァチャンとジィチャンが不思議そうな目で見てくる。
不思議な感覚だ。
バァチャンが放った第一声は、
バァチャン「人間なのかい…?」
だった、
「人間にしか見えねぇだろ?!酷いじゃないか!他人行儀を知れ?!」
バァチャン「見た目は赤ちゃんなんだが…あまりにも生意気じゃのぉ。じぃさんやぁ生意気な子だが育てるかい、?」
ジィチャン「人間なら育てるしかないじゃろう。」
だから人間だって!!
なーんて心の中で叫んだが、それより人間かどうか疑ってるやつを育てることにするバカ老人にびっくりしている気持ちの方がぶっちぎりで上だ。
俺はこれからどうなるのか…?
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