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「 大和くんは誰に対しても優しく接してくれる人…だから、亜美沢さんのことを気づかってくれたのも、ごく当たり前のことだから… 」
「 そ、そうだよね 」
その通りだと思った。
でも もしかしたら…私だけに優しくてくれたのかな、だったらいいのにな…
なんて、そんなことを思ったりしながら、新山さんにあいづちをしたつもりだった。
でも、目がカッ!っと見開き、細い眉がつりあがると、彼女は急に立ち止まった。
「 新山さん?… 」
「 勘違いしないでよ!初めて会ったあなたになんか、大和くんまったく興味ないんだから! 今日みたいに彼に迷惑かけるのやめてよね! 」
新山さんはそう言い残すと、私の帰る反対の方へ姿を消した。
ただ…
それが言いたかっただけ?
アパートまでの帰り道、すごく足取りが重く感じる。
頭の中でさっきの新山さんの言葉が、何回も何回もさまよい続けている。
同時にひとりになった孤独感と寂しい気持ちが渦巻く。
大和くんは無いかもしれない
けれど
私は…
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