優しいひと

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寂しくなった時は空を見上げるんだよね 小さな頃から父とふたり暮らしの私は、家に帰ったところで待っている人はいない。 母は私がまだ物心がつく前に、病気になり天国へ行ってしまった。 だからお母さんのことはあんまり覚えてないけど、空から私のことをいつも見守ってくれているんだよって、お父さんに聞かされていたんだよね ふと、空を見上げると、小さな雲がぽつんとひとつ、寂しそうにふあふあと浮かんでいる。 お母さんも寂しいの?… 小さく右手を上げて、私はお母さんに手を振っていた。 私もいつもお母さんを見ているから、心配しないでね 新山さんの言ったことはもう忘れる けれど…大和くんの優しさは、私の胸の中に… しまっておいてもいいよね、お母さん…
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