プロローグ

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プロローグ

「夏休み、家に来ないか?」  その誘いが来たのは、テストを終えた日だった。  私の名前は高坂亜実。歴史と文化を学ぶ為に、大学へ進学し。親元を離れ、大学近くでアパートを借り。独り暮らしを始めた女子大生だ。  連絡をくれたのは、私の恋人、黒田大輝。隣の市にある国立大学に通っていて、そこで経営の勉強をしながら。家庭教師のアルバイトをこなしている。  彼との出会いは、中学2年。転校してきた彼は、その日の内に初対面にも関わらず。私に抱きついてきた。  その日以来、私と付き合いたい。と言って。傍を離れず。なんだかんだあって、付き合う事になった。  その後、大輝が都内の私立高校に進学し、高校3年間は遠距離に。    せっかくの、夏休みなので、友達を誘おうという事で大輝は高校時代の友達2人も呼ぶことにした。  その友達2人も、私達と同じように交際中。  1人は大輝と同じ大学に通いながら、私と同じ歴史と文化を学び。独学でありとあらゆる事を吸収している天才。  もう1人は、通っていた高校の付属大学で栄養学を学ぶ天然フワフワ女子。  高校時代、何度か会っているメンバーで。大輝の家にも何度か遊びに来たことがあった。  2人共、夏休み特に予定がない。という事で。8月下旬の3日間。一緒に過ごす事になった。  夏休みを理由に実家に戻っていた私は、母の車で大輝の家に送ってもらい、前日から来ていた大輝と一緒に家の掃除を始めた。  そのすぐあとに、大輝と同じ大学に通う天才、白川大我と。その恋人で都内の私立大学に通う中井結がやってきた。(むすび) 4人で協力しながら、掃除を終わらせ。少し遅めの昼食にありつく。 お昼を食べながら、近況報告。 どんな勉強をしているかとか、どんな事があったのか。そんな話だ。 お昼を食べ終わると、大輝と大我君は昼寝。 私と結は大学から出されている課題に取りかかっていた。 「こういうのって…なにが正解か分かんなくなるわよね」 「そう?あ~でも。時々あれ?ってなるな~」 そんな会話をしながら、レポートを書いていると…背後から誰かに抱きしめられる。 「ん~」 「…」 私達の背後に抱きつくのは、寝ぼけた大輝と大我君。お互い、彼女の背に抱きついては背中やうなじに自分の頭を擦り付けてくる。 しばらくすると、目が覚めて。私達から離れると大輝はゲームを始め。大我君は読書を始める。 「そろそろ、ご飯にする?」 「そうだね…」 レポートを終わらせた私と結。数時間の間に持ってきていた本、10冊の内半分を読み終えた大我君。そして、休憩なしでゲームをやり続けた大輝も。その一言をきっかけに動きを止めた。 「今日はカレーだよ~」 夕飯は私と結が作るカレー。甘口、辛口2種類を用意する。甘口は手羽元と野菜たっぷりのカレー、辛口はエビとあさり。  結と大輝は辛い物が苦手でカレーは甘口派。私と大我君は辛口派。なので、カレーは2種類を作らなければならない。  でも、大輝も大我君も彼女が作ったカレーが食べたいのか。結局、二人共両方食べる。私達もそれにならって、両方食べるのが恒例。    「辛…」  「甘…」  大輝は辛口のカレーを、大我君は甘口のカレーを食べて、そう呟く。  「おいひぃねぇ~」  「うん」  お昼と同じように他愛のない話をして、デザートにアイスを食べて、火照った身体を冷ます。私は大好きなクッキー入りのアイス、結はみかんぎっしりのシャーベット、大輝は高級イチゴアイス、大我君はソーダのシャーベットを炭酸で割って飲んでいた。 夕飯の後片付けを終わらせると、大輝が持ってきたゲームを皆でやる事に。 RPGや対戦型ゲームなど。様々なゲームをする。 どちらも強いのは、大輝と大我君。 次に私。結はゲームをやらないので、あまり得意ではない。 休憩をしながら、21時までゲームに没頭。 その後は、ドラマを見たり、バラエティー番組を見たり。お風呂に入ったり。と、とにかく自由に過ごす時間、 23時になると、 大輝と大我君がウトウトし始める事。私達もいつもなら、眠る時間なのだが…お互いまだ眠りたくない。ということで二人が起きるまで話している事にした。  「ねぇ、亜実ちゃんは。大学卒業したら、どうするか決まってる?」  そう、結に聞かれた時。私は何も答えられなかった…  「結は決まってるの?」  「うん!」      
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