四月 親衛隊は推しに選ばれるまでは想いを伝えてはいけないルール

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 楯山は吉良の学生寮での同室者だ。  楯山は最初から吉良に愛想良く話しかけてくれ、吉良が困っているとすぐに手を差し伸べてくれたし、毎晩二人でたくさんのことを話した。くだらない話から、真面目な相談まで。 「吉良が同室でマジで良かったよ。お前といると俺、すごく楽しいよ」  楯山はことある毎にそう言ってくれた。  楯山のことは何でも話せる仲だと思っていたが、今日初めて知った。楯山は川上の事が好きだったのか。  あ。楯山が頷いている。一方の川上も照れている様子だ。  連絡先でも聞いているのか、二人はスマホを取り出して、やり取りしている。  やがて二人は距離を縮める。肩を寄せ合って、二人視線を合わせてはお互いデレている様子に見える。  川上がスマホを大切そうに胸に抱えながら、楯山に「ありがとう」を伝えている。楯山と連絡先が交換出来たことがとても嬉しい様子だ。楯山の表情も、満更ではなさそうだ。  川上の告白が上手くいったんだろうな……。  楯山と川上、ハイスペック同士お似合いだ。  俺、この学校入ったの間違いだったのかな……。  周りが凄すぎていつもものすごい劣等感だ。場違いだと思われてるんじゃないかと自信が無くなってきた……。
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