610人が本棚に入れています
本棚に追加
楯山は吉良の学生寮での同室者だ。
楯山は最初から吉良に愛想良く話しかけてくれ、吉良が困っているとすぐに手を差し伸べてくれたし、毎晩二人でたくさんのことを話した。くだらない話から、真面目な相談まで。
「吉良が同室でマジで良かったよ。お前といると俺、すごく楽しいよ」
楯山はことある毎にそう言ってくれた。
楯山のことは何でも話せる仲だと思っていたが、今日初めて知った。楯山は川上の事が好きだったのか。
あ。楯山が頷いている。一方の川上も照れている様子だ。
連絡先でも聞いているのか、二人はスマホを取り出して、やり取りしている。
やがて二人は距離を縮める。肩を寄せ合って、二人視線を合わせてはお互いデレている様子に見える。
川上がスマホを大切そうに胸に抱えながら、楯山に「ありがとう」を伝えている。楯山と連絡先が交換出来たことがとても嬉しい様子だ。楯山の表情も、満更ではなさそうだ。
川上の告白が上手くいったんだろうな……。
楯山と川上、ハイスペック同士お似合いだ。
俺、この学校入ったの間違いだったのかな……。
周りが凄すぎていつもものすごい劣等感だ。場違いだと思われてるんじゃないかと自信が無くなってきた……。
最初のコメントを投稿しよう!