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2 同じ病
それから数ヶ月経って、また部長さんの声を聞いた。
「夏目先生を教えていらっしゃったって本当ですか」
採点の合間にふと聞こえてきた声に顔を上げれば、あの時の部長さんが斜め前の席でそんなことを言っている。おいおい誰に何を聞いているんだ部長さん。
「ああ教えていましたよ。担任でした」
そして仙人の答えに思わず二度見である。質問も回答も間違ってる。すれ違いコントが展開していく。
採点も手につかず、突っ込むタイミングを見計らうことしばし。仙人こと西先生の話は深く謎めいたままそれていく。いまどきの子はケジメがないという説教話になったところで、割って入ってみたものの、闖入者感は否めなかった。
仙人が眠ってしまったあと、私は部長さんを呼びよせて、最近の様子を聞いてみた。先日珍しく夏目が教員室に出てくるという事件があり、美術部のことが気になっていたのだ。
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