せめてこれだけは実現して欲しい

　政府の大本営発表と言って良い嘘っぱちの発表を鵜呑みにして感染が収束に向かっていると勘違いし、油断して弛んだ空気が日本中に広がっていた中で、いやいやそうじゃないと思っていた僕の予想通り参院選後、酷いことになって来た。コロナ禍になって以来、マキシマムのオーバーシュートが起きている。実は参院選前から徐々に感染拡大していたのだが、政府は感染対策について非難を避けるべく検査数を減らして実際より大分少なめの感染者数を発表し続け、感染者が減っているように見せかけていただけなのであった。
　で、ネットで現在の都道府県の感染動向サイトを見ると、検査数より新規陽性者数の方が多い怪が起きていて陽性率100％以上という滅茶苦茶なことになっているが、これは陽性が疑われる者だけを検査しているからでも検査のCT値がバカ高くなっているからでもなく検査数が陽性者数に追っつかない程、新規陽性者が増えていることを意味し、例えば東京の新規陽性者数は今、3万強となっているが、少なくとも10万以上新規陽性者がいる筈で、3万くらいしか検査していないから3万強としているといった感じだ。
　いやはや元々感染力が強かったが、変異を繰り返して更に強くなったオミクロン株は、重症化しにくいと言っても無症状でも軽症でも脳にダメージを受ける後遺症に罹患する恐れや軽症と言っても立っていられない程の倦怠感に見舞われたり高熱に見舞われたり、あと味覚障害嗅覚障害など風邪には見られない症状があるのに只の風邪だから大丈夫と高を括っている者が未だに少なからずいるようで、厚労省の医系技官辺りに悪知恵を授かってコロナ感染者を2類から5類扱いにしようとした安部晋三と同じくらい頭の中が空っぽなのだろう。
　僕はこれまでアベガ―と疑われても仕方がない位、安部を批判してきた。しかし、正直あの芯から滲み出るような柔和な表情や語り口を見る限りではどうしても安部が悪人には見えなかったのだが、どうやら本人が糞ではなくて由緒ある家柄に育ったプリンスでありボンボンだから誰にもちやほやされ悪いようにされず人を疑うことを知らずに成長して人が良いだけに糞どもに利用されていたようで本人の人脈や威光を頼ってゴキブリホイホイに吸い寄せられるゴキブリのように本人に寄り集まって来る者どもがいけなかったのだ。
　しかし受験もしないで大学に入り、特に勉強もしないで卒業し、米留学しても何も単位を取らない儘、家族恋しさの余り寂しい寂しいと国際電話をかけまくって月に何十万も電話代がかかるというので、もう帰国させるしかないと祖父の岸信介が諦めたというエピソードを持ち、父親の安部晋太郎から見ても不肖の子で超エリートコースを歩んだ兄弟から見ても落ちこぼれであった安倍晋三は、政治理念も哲学も何も育まれず保守でも革新でもリベラルでもなくノンポリが只運命的に政治家になったというような人物だった。だから自民党を解体することが戦後レジーム脱却に不可欠であると夢にも思わず、只管、望むべきでない憲法改正を目指したことで右翼だのタカ派だのとスティグマを着せられた安部は、何でアベノミクスが悪いのかも安保法制定が悪いのかも特定秘密保護法制定が悪いのかも消費税増税が悪いのかも税金の私物化が悪いのかも東京オリンピック開催が悪いのかも何にも良く分からず側近に言われたからやろうとし、中国を煽るにも軍拡するにもオフショアバランシング戦略を進めるアメリカの傀儡になってしていた訳だ。その上、人が良いのが災いして籠池泰典に特別に安い値で国有地を売ることにしたのがとんでもないことに発展して国会で嘘を118回も付く破目になり、公文書を改竄させることを余儀なくされ、結局、赤木俊夫さんを自殺に追い込んだ森友問題を始め加計問題、広島買収取り半事件、桜を見る会問題、日大背任事件等、多くの疑獄事件を起こしたのだった。
　慮ってみれば、こんな者を首相の座に憲政史上、最長期間置いたのがそもそもいけなかったのであって日本が駄目になる訳である。
　で、死後も安部晋三は岸田現首相に利用され、安部を支えた保守層への配慮を示す為にも自民党と統一教会の関係を有耶無耶にする為にも自民党政権を国民に肯定させる為にも国葬にされることになってしまった。それを受け、ある市民団体が安倍元総理国葬の閣議決定差し止めをするべく東京地裁に仮処分申請し、受理されたようだが、どうにもならない日本にあってせめてこれだけは実現して欲しいものだ。