あー、あの日の わいの冒険 2年生 その3「お姉ちゃん、弟のなっちゃんについて愚痴る」

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 だから、なっちゃんがアホなのは、ある意味私のせいなのかもしれません。かなり必死に頼みました。必死に必死に頼んだ結果がこれなのかも知れません。  「ごめんな、なっちゃん」  でも、元気で明るくいてくれればええねん。そんな事、言葉にできなくて伝えられへんけど。もう、あんな夜は懲り懲りやで。生きた心地せえへんかったわ。  だから元気で…… アホでええから。  ほら、なっちゃん、またアホな事を言い出しました。   「わい、びようせいけい。じっちゃんに教えてもらったで。なんか、顔とか体とか手術して綺麗にすんねんて」 「コラ! おじいちゃんに何聞いとんよ」  あ、ここでのおじいちゃんは雪生おじいちゃん、お父さんの方のおじいちゃんです。 「じっちゃんが心配しとったで、姉ちゃん整形したいんかって?」 「ハァ〜?」  なんか面倒なことになりそうな予感がして顔が歪みます。 「そんな心配せんでもええで。せいけいしてもしなくても。姉ちゃんは、わいの姉ちゃんや。せいけいしても姉ちゃんやから」 「アホ!」  なっちゃんももう少し大きくなると、アホじゃなくなるんでしょうか?  なるんでしょうね。信じられへんけど。  あ、そうそう、一つ付け加えておくと、なっちゃんはアホやけど、優しい所もあります。5月の私の誕生日に、絵本をプレゼントしてくれました(お代はおじいちゃん持ちだけど)。あの「ウサギが頑張る絵本」です。なんでもビリビリになってた絵本が気になってたらしいのです。まさか自分がビリビリにしたとは思ってない様ですが。 「ありがとう、なっちゃん」  私もなっちゃんも1歩1歩大人へ近づいていく。  いつまでも同じ1歩1歩を、だから私はいつまでもなっちゃんのお姉ちゃんで、なっちゃんは私の弟。だから一緒に、いつまでも私の弟で元気に生きて。  アホでええから。元気に……  でも、ちょっとだけ、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、賢くお利口になるといいんだけどな…… Fin
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