あー、あの日の わいの冒険 ２年生 その３「お姉ちゃん、弟のなっちゃんについて愚痴る」

　第１位「やっぱりなっちゃんはアホすぎる」

　すーぐ人の言う事を信じてしまうんです。
　UFOや幽霊を本気で信じている様です。変な宗教にはまらないか心配です。

　CMで腰痛の薬のCMがあるたびに父ちゃんを呼んできて、「これや！」と必死で進めていました。じっちゃんには膝や関節に効く漢方の飲み薬。母ちゃんにはシミを消す美容液。困ったことにテレビの内容を本気ですぐに信じてしまうのです。

　そして先日はドタドタ走って私の所に来て手を引っ張られたかと思うと、私に新しい美容整形のCM見せて、「これや！」って進めて来たのです。

　「アホか！」
　って頭をバシッと叩きました。

　その後「私は関係ない。なっちゃんが歌ってただけでしょ」と何回言っても、新しい美容整形のCMがあるたびに私を呼びに来まるのです。
　もう、嫌になります。アホですアホ。どうしたものか……

　しかし、このなっちゃんがアホな原因は、実は私にもあるのです。
　そう私にも。
　だから……

　× × ×

　あれは、私がまだ保育園にいた頃の事でした。なっちゃんは１歳ちょっとの赤ちゃんで、今とは違い何とも可愛い赤ちゃんでした。良く、おもちゃを投げたり、舐めたりして私を困らせていましたが、それでも可愛かったから許せたし、この時はまだアホではなかったと思うのです。

　私は良く神様にお願いしていました。
　一緒に遊べる様な弟がいいな。おりこうな、かしこい弟がいいな。
　おりこうで、やさしい弟になります様に。
　かしこくて、自慢できる弟になります様に。
　お願いします！　と祈ってました。

　そんなある日、なっちゃんがグズってずっと泣いている日がありました。