18:真の再会

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「とにかく、ここを出るぞ」  言葉無き時間の後に唇が離れると、イルギッドが真剣な表情で告げる。 「俺がお前を助け出した後に、シンワがニゲルを攻める。ウィリディスやフラーヴァも援護してくれる手筈になってる」  彼がついていてくれるなら、もう何も怖いものは無い。ユヅカが笑顔でうなずき返した時。 「ほう、そういうお膳立てになっているのか」  部屋の扉が無造作に開き、廊下の明かりを背負ったヒューゴが、十数人の部下を連れて入ってきた。彼らが構える剣先は、違える事無くユヅカ達二人に向いている。 「(カニス)。お前はどこまでも邪魔な駄犬だな」  彼がどういう表情をしているのかは、逆光でわからない。だがきっと、こちらを見下しきった、邪神のような笑みを浮かべているだろう。 「だが、馬鹿犬にも使い道はある」  ヒューゴがぱちんと指を鳴らすと、部下達がユヅカとイルギッドを引き離し、それぞれを抑え込む。 「ユヅカ」  ねばついた声でユヅカの名を呼ぶヒューゴが、ゆったりとした足取りで近づいてきて、ぐいと顎を持ち上げる。 「お前が私の言う事を聞いてくれる限り、この男の命は保証しよう。だから」  やたら嬉しそうに肩を揺らして、彼は宣誓した。 「お前の『タツノオトシゴ』の出番だよ。金の竜(アウルム)へ導いておくれ、私の愛しいユヅカ」
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