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「えっ!? お姉ちゃん、りーくんと!?」
当時、小学4年生で幼かったけれど、あまりにも驚いた私は大声で姉に聞き返した。
だって、今、お姉ちゃん、なんて言った?
「シィィィ! 舞花、声が大きい! いい? まだ、お父さんとお母さんには内緒だからね!」
突然、秘密を打ち明けた姉は、7歳年上という権力を高々と振りかざして、私に口止めをした。
お姉ちゃん、りーくんと付き合うことになったって……
私、りーくんが大好きだったのに……
私の初恋は、姉の前に儚く散った。
まぁ、小学生がいくら思ったところで、高校生に思いが通じるわけはないんだけど。
今なら分かるそんな簡単なことが、当時の私には分からなかった。
りーくんは、私の家から徒歩1〜2分という近さで、私が赤ちゃんの頃……というより、お姉ちゃんが小さい頃から、家族ぐるみで仲良くしてきた幼馴染。
姉の歩花とりーくんこと理太郎くんとは同級生。
そこにりーくんの弟の4歳年下のせいくんこと誠二郎くんとそのさらに3歳年下の私、舞花の4人でよく遊んだ。
っていうか、今思えば、遊んでもらってたのかもしれないけど。
家族ぐるみで仲良しだから、どちらかの親に用事がある時などは、お互いの家に晩ご飯を食べに行ったり、預かってもらって1日遊んだり、ずっとそんな風にして過ごしてきた。
年が近くていつもケンカになるせいくんと違って、いつも優しく遊んでくれるりーくんは、私の初恋の人。
なのに、お姉ちゃんと付き合い始めるなんて……
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