デブリードマン

9/9
前へ
/9ページ
次へ
私たちはあの廊下の分岐の、さらにもっと前から繋がっていた。切れることのできない骨肉レベルでの繋がり。  切るべきではなかった。切らせるべきではなかった。さらに言えば、兄を助けてあければよかった。壊死する前に。たとえ私の体が蝕まれたとしても、一緒に朽ちればよかった。  そんな後悔がこれから先もずっと、続いていく気がした。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加