ルミナス

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 母からLINEが来た。  今週末に祖父の三回忌があるので私と兄は帰省する。  何時頃着く? と聞くので、乗る予定の新幹線の到着時間を教えた。    当日、一泊分の荷物を少し大きめのバッグに入れて私たちは東京駅に行った。  帰省の時は交通費を実家で出してくれる。ゴールデンウィーク、お盆、お正月、できればお彼岸も。一年に数回の帰省も上京するときの条件だった。  兄が進学した初めの一年は、お金がもったいないからと、まるっきり帰らなかったので、親が慌てて振り込んだ。  混雑した構内の、たくさんのお店がある通りを歩くだけでわくわくする。  買うものはいつも同じふわふわした生地のお菓子だけれど、新しいものがあるとそれをわざわざ見に行ったりもする。  お店にちょこちょこ立ち寄る私のことを、兄は店の外に立って待っていた。  新幹線のホームに立つと、旅人であり主人公になったような気分に浸れて、頭の中がふわりと軽くなる。  通学電車の中ではものすごく多くの人のうちのごく一人にすぎず、じゃまにならないよう、すごく気を遣って、気持ちもぎゅっと縮こまっているというのに。  自由席は結構混んでいて、でももう一本見送るほどでもなく、私たちは同じ車両の離れた席にそれぞれ座った。  兄は夫婦がいる席の通路側、私はその二つ後ろの窓側に座り、すぐあとで隣に二十代くらいの女の人が座った。  大宮くらいまでは窓の外を眺めて、その先はイヤホンで音楽を聴いたり眠ったりする。  ふとスマホが振動して待ち受けを見ると、兄がラインしてきたところだった。
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